設計資料

「空焼き」による投込みヒーターの不具合事例

ヒーターを空焚き(空焼き)するとこうなります

液体(水)加熱用ヒーターの空焼き

  1. ヒーターを空焚きすると、電気絶縁が低下(漏電ブレーカが作動)したり、過熱によりヒーターが焼損したりします。
    (内部発熱線断線、地絡によるシースパイプ溶断など)
  2. 過熱により高温となってやけどや火災の原因になる心配もあり、大変危険です。
  3. ヒーターの空焼きについては、Heater FAQの「Q8:ヒーターの空焼きとはなんですか」をご参照ください。

液体(水)加熱用投込みヒーター

  1. 投込みヒーターは、加熱槽に直接投げ込んで水を加熱することができます。付属のフックを使えば特別な治具は使わずに簡便に固定できます。
  2. YH型ヒーターは銅パイプにクロムメッキを施した水加熱専用の投込みヒーターです。(ステンレス製のYS型もあります)
  3. 但し、簡単に扱える分、使用に当たってはいくつかの注意が必要です。ご使用の前には、安全性を十分ご確認下さい。
    • 水位の変化や発熱部の位置(過熱に注意)
    • 電源端子(キャップ)部分は非防水で、水没すると危険。
    • 発熱部が加熱槽に直接接触しないこと
    • 温度コントロールや水位スイッチなど安全装置の設置も検討することが望ましい。

製品紹介はこちらです:Y型投込みヒーター

YH-310EWP 200V3相10kWの場合

加熱槽に水を補給しなかったために水位が下がり、空焼きによりヒーターの電気絶縁抵抗が低下した事例をご紹介します。

空焼きしたヒーター

図1 空焼きしたヒーター

空焼きしたヒーター

図2 発熱部の拡大

正常品との比較

図3 正常品との比較

空焼きしたヒーター(図3 右)は、
腐食および変形が生じている。(左:別型式の新品)

発熱部縞模様

図4 発熱部縞模様

縞模様の拡大1

図5 縞模様の拡大1

 

  • ヒーター発熱部表面に縞模様ができており、水面と空気の境界面が変化したことを示すものと思われる。
  • 水位は最終的にエレメントコイル部(外径約300mm)の1/5程度まで減少したものと考えられる。
縞模様拡大2

図6 縞模様拡大2

メッキの剥離部分(図4の拡大)

図7 メッキの剥離部分(図4の拡大)

発熱部(上部より)

図8 発熱部(上部より)

発熱部上部は水位より上(大気中)に曝され空焼きとなった。

接続管

図9 接続管

発熱部上部にある黄銅製の接続管も高温に曝され、
変色している(融点は銅よりも高い)。
この部分は発熱しない非発熱部であり、ヒーター発熱部からの熱伝導により変色・変形したものと考えられる。

補足

  • 投込みヒーターは簡便に設置可能ですが、人為的なミスなどで容易にヒーターが水没したり水中から露出したりする可能性もあります。
  • 加熱槽に清浄な水が常に入っていれば、このような変色・変形はありません。
  • 電気ヒーターのご使用に当たっては、予算と用途に合わせた最適なヒーター及び温度コントロール、水位(レベル)スイッチ、さらには温度過昇防止などの安全装置の選択が必要です。
  • 電気ヒーターの使い方などで万一ご心配な点がありましたら、日本ヒーターへお問い合わせください。
注意
  1. 空焚き厳禁 空焼きしますと破損し危険です。
  2. ヒーター通電中は高温なので手が触れると危険です。
  3. ヒーターの通電終了直後は液より引上げても余熱により高温度となっていますので冷めてから取り出して下さい。
  4. 万一、ヒーターが損傷した場合は速やかに電源を切り、使用を中止して下さい。
  5. ターミナルキャップ部分には水分がかからないようにして下さい。