ヒーターの寿命とは何ですか?

一言でいえばヒーターの寿命は、ヒーターが断線・短絡・地絡により発熱体としての機能を果たさなくなるまでの期間(時間)です。

ヒーターの断線・短絡・地絡の原因は下記のものが考えられます。

  1. 直接の原因として内部に起因する寿命(ヒーター内部)
  2. それを誘発する外部の原因による寿命(ヒーター外部)

1.ヒーター内部(原因)

  1. シースパイプが腐蝕により部分的に肉が薄くなり、穴があく。(接液材料とパイプ材質の相関)
  2. ニクロム線が酸化や通電による劣化により、線径が細くなりその部分で断線する。(長時間使用)
  3. マグネシア(MgO)絶縁粉末が高温により絶縁破壊する。(ワット密度選定の誤り)
  4. 異常な高温によりニクロム線からクロムが析出し、マグネシアに混入すると断線または絶縁不良となる(黒化現象:異常高温使用による)。

2.ヒーター外部

  1. 流体用のヒーターで、流体の供給が途切れたまま加熱を続けた場合(空焼きと言っています:Q8参照)。
    ヒーターエレメントが直接視認できない場合、客先では原因がわからず、ヒーターが回収されることもありますが、ヒーターの表面を見れば一目瞭然です。
  2. 流体の中に腐蝕性の物質が混入する。(シーズパイプにピンホールができ流体が侵入して絶縁低下)
  3. ヒーターから加熱流体(被加熱物)への熱伝達が疎外され、ヒーターが高温度になる。
    たとえばヒーター表面に汚れやごみが付着、あるいはヒーターの取り付けピッチを狭くとりすぎた場合(取付ミス)など。
    ヒーターに付着した汚れは常時除去する必要があります。
  4. 雰囲気が異常に高温・高湿度になったり、塵芥の多い場所での使用。
  5. 空気加熱用ヒーターで送風機付の場合、使用中止時ヒーターと送風機を同時に切る構造の場合。
    ヒーターは余熱があるので、インターロック回路によりしばらくは送風を続けなければならない。

注記

  1. 半永久的な寿命を持つヒーターも製作可能ですが、被加熱物によってはコストがかかりすぎます。
  2. ヒーターは消耗品であると考えて、ある程度の寿命を確保し定期的に交換する設計が望ましいと思います。(取り外しが可能な取付方法を採用すること)
  3. 現実問題としてヒーターの保証期間は1年間と決めていますが、低温度の液体用ヒーターではほとんど断線はありません。

ヒーターの寿命を延ばすための対策

  1. ヒーターのワット密度、曲げ加工、被加熱物の物理化学的性質や設置場所の雰囲気など、考慮すべき問題は数多くあります。
  2. ヒーターの材質・形状からヒーターの寿命を延ばす方法を考えてみました。
    1. 発熱線を太くする。
    2. シーズヒーターのパイプを太くする(例:OD9mmをOD12mmに変更する)
    3. パイプの肉厚を厚くする
      ただし、耐食性をあまり考慮しなくてもよい場合は薄肉の方が熱伝導の効率が高くベターである。
    4. パイプの材質を変える(例:SUS304をSUS316Lに変更する)
    5. パイプは継目無し材を使用する(例:SUS316LTP-AをSUS316LTP-SCに変更する)
    6. 端子ネジ(スタッド)を太くする
    7. 非発熱部を長くする
      仕様上ヒーター長さ一定の制約があるときは、非発熱部を短くすることにより、発熱部の面積が増えワット密度は小さくすることができる。
    8. パイプの曲げ径を緩やかにする
    9. ヒーターの表面処理を適切に行う(ヒーター表面をバフ研磨・電解研磨するなど)

☆技術資料:ヒーターの寿命と効率参照